マイオスタチン抑制による強力な脂肪細胞の肥大化防止作用とメタボリック症候群の治療
Project/Area Number |
18052019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
土田 邦博 Fujita Health University, 総合医科学研究所, 教授 (30281091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上住 聡芳 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (60434594)
中谷 直史 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (00421264)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | マイオスタチン / 脂肪分化 / 骨格筋内脂肪蓄積 / メタボリック症候群 / 脂肪酸代謝 / ミトコンドリア / 骨格筋分化 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
脂肪細胞の起源や、体脂肪量・脂肪細胞の大きさとサイズの調節機構を正しく理解し、その制御方法を明らかにする事は肥満・糖尿病の病態を解明し治療戦略を考える際に重要である。マイオスタチンの遺伝子破壊マウスでは劇的に骨格筋量が増大し、逆に体脂肪量は減少する。人為的に仲介することで、体脂肪を減らし筋肉を増やせる可能性がある。いくつかのマイオスタチン阻害分子を開発し、過剰発現させたトランスジェニック(Tg)マウスを作製し解析を行なった。Tgマウスの皮下脂肪(鼠径部)と内臓脂肪(精巣周囲、腎周囲)は、重量にして対照の30〜60%程度に低下し、脂肪細胞が肥大化しない事が確認された。興味深い事に、Tgマウスの白色脂肪においてミトコンドリアの数が増大していることが電顕観察から明らかとなった。また、脂肪酸合成酵素群(long chain fatty acid elongase, acetylCoA carboxylase (ACC), stearoyl-CoA desaturase 1(SCD1))の減少が確認された。逆に脂肪酸代謝に関わるCPT-1は顕著に上昇が見られた。これらの結果から、エネルギー代謝の亢進が示唆された。なお、レプチンは低下していたがアデイポネクチンはmRNAレベルでは変動が見られなかった。高脂肪食負荷においては、脂肪量の増加は対照より少なく逆に筋量の増加が見られた。耐糖能は向上していた。脂肪組織へのマクロファージの浸潤は抑制傾向にあった。高脂肪食負荷においても脂肪肝は観察されなかった。 肥満で見られる筋肉内の脂肪蓄積の分子メカニズムの解明を行なった。骨格筋内に血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRα)陽性細胞が筋間質に存在し、試験管内で培養すると脂肪分化能が旺盛である事がわかった。骨格筋内で脂肪分化能を有するのはこの細胞種のみであった。PDGFRα陽性細胞は、Vimentin陽性であり間葉系幹細胞と考えられる。肥満病態において骨格筋内に沈着する脂肪細胞の起源細胞である可能性が強く示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(31 results)