Project/Area Number |
18054022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 稔幸 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (20311756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 貴久 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (20283939)
保坂 晴美 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (70423134)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 蛋白質 / 酵素 / 癌 |
Research Abstract |
細胞運動は、癌細胞の浸潤や免疫系細胞の炎症部位への浸潤などにおいて重要である。われわれは、細胞接着レセプターCD44が、浸潤性細胞の運動先端部に集積し、膜型メタロプロテアーゼにより切断を受けること、そして、その現象が、細胞運動の駆動力を発生させることを見出した。本研究課題は、これらの独自の研究成果に基づき、浸潤装置複合体の構造と機能を明らかにすることにより、細胞運動・浸潤のメカニズムを解明することを目指した。そして、次の点について、細胞の運動先端部位に形成される浸潤装置複合体の構造と機能の解明を進めた。機能面では、臨床的に癌組織で顕著に検出される接着レセプターCD44のリガンドであるピアルロン酸の低分子量化が、浸潤性癌細胞が産生するピアルロン酸分解酵素・ヒアルロニダーゼの作用によりオートクリン様の機序で起こっており、それが浸潤装置複合体の構成を変化させることにより、細胞運動性を亢進することを明らかにした。また、癌細胞に多く発現する上皮成長因子受容体からのシグナルによっても、CD44の機能による癌細胞の運動性が亢進し、そのときに浸潤装置複合体がダイナミックに作動していることを明らかにした。構造面では、浸潤装置構成分子の大量発現、および、高純度精製を進め、溶液NMRなどによる構造解析を行い、フレキシブルに動く構造を有することを見出した。以上、CD44を中心とした細胞運動・浸潤の重要な機能調節機構が明らかとなった。
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