恒常性維持シグナルの変換体としてのMaf転写因子の活性調節機構
Project/Area Number |
18055021
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
片岡 浩介 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (20262074)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
|
Keywords | 転写制御因子 / シグナル伝達 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
bZIP型の転写因子ファミリーに属するMafタンパク質群は、細胞の分化・恒常性の維持にとって重要な役割を担っていることがあきらかにされており、細胞外のさまざまなシグナルを受容して活性が変化する「シグナル変換体」としての側面を持つことが示されつつある。本研究の目的は、転写因子Mafが、細胞外のさまざまなシグナルを感知してその活性を変化させる調節システムを生化学的に解明し、Mafを介した転写調節の分子機構をあきらかにすることである。 前年度までに、MafAタンパク質の8カ所のリン酸化部位のうち、4カ所をリン酸化するキナーゼを同定してきたが、本年度は、残りのうちの2カ所をリン酸化するキナーゼの候補を3つ同定することができた。それらのうちの1つは、膵島β細胞において細胞外刺激に応じてその細胞内局在を変化させる可能性を見いだしており、転写因子Mafへと至るシグナル伝達経路において重要なはたらきをしていると考えられ、特に集中して解析を続けている。 一方で、MafAと類縁のMafBタンパク質についてもリン酸化部位の同定を試み、MafAのタンパク質安定性の制御に関与するのと相同な部位のセリン・スレオニン残基を5つ同定したが、MafBにおいては、これらのリン酸化はタンパク質の安定性には全く影響を与えず、別の機構によって安定性が制御されることを見いだした。このことは、Mafファミリーのメンバーによってその翻訳後修飾による制御機構が全く異なること、すなわち、DECODE回路の調節システムの多様性・複雑性を示しており、今後のさらなる解明が必要である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)