ショウジョウバエ神経幹細胞の非対称分裂における、三量体G蛋白質経路の役割
Project/Area Number |
18057027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University (2007) The Institute of Physical and Chemical Research (2006) |
Principal Investigator |
泉 裕士 Kobe University, 大学院・医学系研究科, 助教 (10373268)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 非対称分裂 / 細胞極性 / 神経幹細胞 / 三量体G蛋白質 / 紡錘体 / 上皮細胞 / 分裂方向 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
細胞極性等を利用して異なる姉妹細胞を生み出す非対称分裂は、細胞の多様性を生み出す為に必須な過程である。非対称分裂の典型例であるショウジョウバエ神経幹細胞では、細胞運命決定因子が分裂期に非対称に局在し分裂軸方位がこれに一致する事が、神経幹細胞自身と神経母細胞という異なる姉妹細胞を生み出すのに重要である。私はこの分裂軸方位の制御が三量体G蛋白質GαiとそのGDP解離抑制因子Pins、そしてPinsと結合するMudにより制御されている事を明らかにした。この紡錘体制御の分子機能解明は非対称分裂のメカニズムを理解する上で重要だが、本年度はMudのドメイン解析を行い次の事を明らかにした。1.MudはNLMモチーフと呼ばれる進化的に保存された部位を含むC末領域で、PinsのN末領域と直接結合する。そしてこの領域は神経幹細胞のアピカル側に局在するのに十分である事から、MudとPinsの結合と局在制御の相関関係が確認できた。2.MudのC末端に存在する細胞膜貫通様領域は核膜への局在ドメインである事が分かった。しかし内在性Mudは神経幹細胞など核膜に局在しない場合と、卵細胞の様に局在する場合があり、それぞれの細胞での特異的機能を反映している事が考えられた。核膜局在の機能的な意義については今後の課題である。3.MudのN末領域は、ダイニン複合体と細胞内で部分的に共局在し、さらに共免疫沈降も確認した。神経幹細胞におけるダイニン複合体の機能を解析する為に、ドミナントネガティブ型のGluedを発現させた。その結果、一部の神経幹細胞が分裂方向の異常や中心体の増加など、Mudの変異体でも見られる表現型を示す事を確認した。この事から、ダイニン複合体はMudと相互作用し、何らかの形でその機能に関与している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)