Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
Gサイクルにおける,Ca<^2>+チャンネルに対する制御機構の時間・空間的解明に向けて,蛍光蛋白質で標識したG蛋白質Goα(CFP-Goα)とN型Ca^<2+>チャンネルαlBサブユニット(α1B-YFP)を用いて,以下の知見を得た。1.CFP-GoαとαlB-YFPとの共発現細胞で,G蛋白質共役型受容体(GPCR)刺激により,YFP/CFPの蛍光強度比の増強が蛍光顕微鏡観察で確認でき,蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)現象を通じてGoαとα1Bの相互作用が確認できた。2.CFP-Goα,α1B-YFPを発現させた培養細胞の全反射蛍光顕微鏡観察により,1段階消光が確認でき,1分子の挙動が確認可能となった。3.GPCR刺激により,Goαとα1Bの1分子軌跡の動きに一過性の抑制が見られた。即ち,刺激後3分付近で最もその動きが抑えられ(50-60%抑制),10分程度で刺激前の状態に回復した。α1B-YFPの動きの回復は,CFP-Goαに比べて多少早い傾向がみられたが,動きが最も抑制される3分付近で両者が相互作用する確率が高いことが示唆された。1分子FRETの同定には,エネルギーが移動したacceptor蛍光タンパク質の蛍光強度が鍵を握る。CFP(またはCyPet)-YFP(またはYpet)の組み合わせでは,CFPの励起光の波長がGFPに比べて紫外側にあり,そのため細胞の自家蛍光も増加し,S/N比が減少する傾向にあった。従って,1.の多分子間のFRETは捕捉できるが,1分子FRETの確認は困難であった。そのため,複数の蛍光タンパク質の組み合わせや変異体の作製も試みたが,EGFPと平成19年夏に報告された現在のところ最も強い赤色蛍光を発するTagRFPとの組み合わせが最有力であった。これらを使用して,TagRFP/GFPの蛍光強度比の変化を指標として1分子計測を行い,両者の相互作用を検討した。
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