器官形成を支える細胞移動とそれを制御する細胞外環境
Project/Area Number |
18060029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 淑子 Nara Institute of Science and Technology, バイオンサイエンス研究科, 教授 (10183857)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥7,400,000 (Direct Cost: ¥7,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | CXCR4 / 細胞移動 / 肋間血管 / 背側大動脈 / 体節 / 血管形成 / ケモカイン |
Research Abstract |
血管ネットワークは、体の生理機能の発揮と維持にとって、もっとも重要な器官である。血管形成のしくみに関しては、血管内皮細胞の分化機構はよく解析されているが、3次元的パターンをとるネットワークが体の中でどのように構築されるのかはほとんどわかっていない。そこで本研究では、これらの問題を、血管パターニングとそれを制御する細胞外環境という観点から解析している。ケモカインSDF1とその受容体CXCR4は、器官形成のさまざまなステップにおいて重要な役割をもつことが知られている。CXCR4のノックアウトマウスを解析したところ、肋間血管の形成が特異的に阻害されていた。肋間血管は、背側大動脈と共に体節由来の細胞から作られることが知られている。そこで、体節細胞のこれらの血管形成におけるケモカインの役割に注目し、CXCR4を強制発現させたところ、細胞はまず背側大動脈方向に移動し、次に伸展している肋間血管の周辺に集積していた。しかしこれらの細胞は血管内皮細胞には分化しなかった。一方、我々は最近、体節細胞の背側大動脈方向への移動と内皮細胞の分化にNotchシグナルが関与することを見出している(Sato, et. al., Dev. Cell, in press)。そこでCXCR4による細胞移動とNotchとの関わりを解析したところ、これらのシグナルカスケード間の直接の相互作用は認められなかったが、CXCR4によって背側大動脈付近まで移動した細胞はNotchシグナルさえあれば内皮細胞に分化しうることを観察した。これらの結果から、体節に由来する細胞には少なくとも2種類存在し、それぞれがNotch依存的な移動と内皮形成、及びCXCR4依存的な移動とその後の血管周辺組織の形成に関与するという新しいメカニズムがみえてきた。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)