Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥15,600,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
Fiscal Year 2008: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2007: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2006: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Research Abstract |
DNA-タンパク質クロスロスリンク(DPC)は,タンパク質がDNAに共有結合して生じるゲノム損傷であるが,その修復機構は解明されていない。これまでの大腸菌を用いた研究で,DPC修復にはヌクレオチド除去修復(NER)と相同組換え(HR)が関与していることが明らかとなった。さらに,NERで働くUvrABCヌクレアーゼが除去できるクロスリンクタンパクのサイズには上限があり,これ以上のサイズのタンパクを含むDPCは,HRで回避されることが示された。本年度は,DPCに対するHR機構の詳細を検討した。 大腸菌のHRは,RecBCD依存的経路あるいはRecFOR依存的経路で進行する。DPCのHRに対する両経路の関与を明らかにするため,recBおよびrecF欠損株のDPC誘発剤感受性を調べた。recBは高感受性を示したが,recFはまったく感受性を示さなかった。RecFOR経路で働くrecJ,recQの欠損株も感受性は示さなかった。 したがって,DPCのHRはRecBCD依存的経路のみで進行し,これはゲノム損傷のHRにおいてDPCに特徴的な応答であることが示された。HRのpostsynaptic stageで働く因子を調べた結果,ruvAB,ruvC,recG欠損株がDPC誘発剤に高感受性を示した。RuvABおよびRuvCは,Holliday構造の移動と解消に関わっていると考えられるが,RecGの役割についてはさらに検討が必要である。HR後の複製再開に関わる因子を明らかにするため,priA,priB,priC,rep欠損株の感受性を調べた。priA欠損株は高感受性を示したが,priBおよびpriC欠損株は弱い感受性で,rep欠損株は感受性を示さなかった。したがって,複製再開はPriA-PriBあるいはPriA-Pric経路で進行し,両経路は相補的に働いていると考えた。
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