流体力学の理論的問題に対する新しい数値的アプローチ
Project/Area Number |
18340026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Euler方程式 / Clebschポテンシャル / 高対称流 / 特異点 / 解の爆発 |
Research Abstract |
流体方程式の解の正則性に関して理解を深めることを目標として完全流体のEuler方程式の数値解析的研究を、2つの視点から行った。 非粘性流体については、有限時間での爆発を示唆する数値計算の報告例はあるが、間題の性格上、浮動小数点演算をともなう数値計算だけでは決定的な結果を導くことは不可能である。この状況を打開するため、本研究では、特に簡単化、ないし仮感化を施した数値計算を行った。 (1)Euler方程式の変分原理による定式化にArnoldによるものがある。そこでは微分幾何学的な性質が、流れ安定性を特徴づけると考えられている。特に、断屈曲率が流れの不安定性をうまく表現するという考え方がある。従来より、ごく簡単な定常流(ABC流)で断面曲率を具体的に計算し、それが負になることが示されていた。ここでは、Jacobi場の方程式とEuler方程式を連立することで、一般の非定常流で断面曲率を追跡する、初めての直接数値計算を行った。その結果、Taylor-Green流、Kida対称流においては、断面曲率は時間発展と共に、ますます負になることを発見した。また、断屈曲率に関するRouchonの表現を用いて、初期値に用いたTaylor-Green流、Kida対称流については曲率の解析的な表現を導出した。 (2)渦度が急成長する、幾何学的に出来る限り簡単な非粘性流としてClebschポテンシャルこの場合、渦線の方程式が可積分となり、大域的にω=∇f×∇gと書ける。ここでf, gは流れに沿って保存する:(Df)/(Dt)=(Dg)/(Dt)=0。具体的には、Kida対称流を初期値とする流れでf, gの時間発展を追跡した。この流れでは原点に6つの渦対が接近していくことが知られているが、各渦対の間でClebschポテンシャルが特徴を持つことが判明した。この予備的な計算結果をふまえ、原点近傍でのf, gの振舞いによって、有限時間での爆発の可能性に幾何学的制約を加えることを検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)