Budget Amount *help |
¥17,440,000 (Direct Cost: ¥15,400,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2006: ¥8,600,000 (Direct Cost: ¥8,600,000)
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Research Abstract |
本研究は,鳥類の卵巣と卵管における抗菌ペプチド「鳥βディフェンシン(avBD)」の産生とその調節機構を追究している。これまでに,(1)生殖器にavBDとToll様受容体が発現すること,(2)グラム陰性菌の成分であるリボ多糖はToll様受容体とavBDの発現を高めることを明らかにした。リボ多糖はTLR4のリガンドであるので,avBD発現の増加はTLR4を介する可能性が考えられる。昨年度までに4種類のavBDの抗体を作製したが,本年度は3種類を追加して,免疫組織化学やウエスタンブロット解析を可能とした。卵巣・卵管の発達とavBDsおよびTLRの発現との関係,そしてこれらの発現に及ぼす性ヌテロイドの影響を追究した。卵巣と卵管でウエスタンブロット解析すると,卵胞膜または顆粒層でavBD-1,-2,-8,-10の特異バンドが認められ,子宮部ではavBD-3,-8.-10,-11,-12の特異バンドが認められた。免疫組織化学染色でもこれを裏付ける結果が得られた。これらのavBD蛋白は,卵胞では未成熟期から検出されたが,卵管では未成熟鶏では認められず,性成熟するに伴って増加した。また,TLR4蛋白の局在も解析したところ,性成熟に伴って増加することが示された。さらに,卵管でToll様受容体とavBDsの発現が性成熟に伴う卵管の発達と連動して増加した機構を追究するために,性ステロイドの影響を解析した。TLR4の発現はエストロジェン(EB)およびプロジェステロン(P4)に影響されなかった。avBD-3,-11,-12の免疫反応産物の分布は,P4やEBの単独刺激では影響されないが,両者で同時刺激すると有意に増加したので,性ステロイドの調節を受けることが示唆された。以上,卵巣と卵管組織にはこのTLR-avBD系による宿主防衛機能が存在し,微生物感染を防ぐために重要な役割を果たすものと考えられる。
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