Project/Area Number |
18390446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 講師 (70263085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 茂夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (60335289)
益崎 裕章 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291899)
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
宮本 恵宏 国立循環器病センター, 動脈硬化代謝内科, 医員 (10312224)
小川 佳宏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70291424)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
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Keywords | 妊娠 / 胎児 / 生活習慣病 / 栄養学 / 医療福祉 |
Research Abstract |
近年、英国を中心とする欧州の疫学的報告から、胎生期に低栄養環境に曝された経験は成長後にメタボリツクシンドロームさらには心血管障害に罹患するハイリスク因子であることが明らかとなりつつあるが、その具体的な機序は未だ明らかではない。本研究では、胎生期の低栄養状態が成長後のメタボリックシンドローム発症のリスク因子を形成する機序を具体的に解析する目的で、妊娠マウス母獣の妊娠後半期に30%の摂餌制限を行い胎生期低栄養マウスモデルの作成を目指した。マウス新生仔は約18%の体重減少をきした。8週齢において経腹糖負荷試験および経腹インスリン負荷試験を行ったところ30分値で有意に高血糖値を示し糖代謝の異常を認めた。さらに8週齢より収縮期血圧が有意に上昇した。また、高脂肪食を負荷すると正常対象群に比べて肥満が有意に増悪し(脂肪蓄積が30-40%増加)、血中総コレステロ-ル値が有意に増加した。 胎生期の低栄養環境は心血管障害発症のリスク因子と考えられている。一方、心肥大や心臓線維化などのいわゆる心臓リモデリングは代表的な心血管障害発症のリスク因子として知られている。興味深いことにこの胎生期低栄養マウスモデルが16週齢に達すると心臓/体重比、筋細胞横径の平均心値が対象群に比べて有意に増加し心肥大が観察された。心臓の切片を作成して線維化部分をシリウスレッド染色しディジタルイメージ解析を行ったところ、胎生期低栄養群では正常対照群に比べて有意に冠動脈周囲の線維化が亢進していた。すなわち、この動物モデルにおいて胎生期の低栄養環境は成長後の心臓リモデリングの亢進を引き起こした。 以上の検討から、胎生期低栄養マウスモデルでは、成長後に糖代謝異常、血圧上昇、肥満および脂質代謝異常といったメタボリックシンドロームの代表的な症状のリスク因子、さらには心肥大並びに心臓線維化といった心血管障害のリスク因子の成立機序を解析しうる有効な動物モデルであることが明らかとなった。
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