Project/Area Number |
18520396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese language education
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
石橋 玲子 茨城大, 教授 (10323867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八若 壽美子 茨城大学, 留学生センター, 教授 (20334013)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,150,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2007: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 第2言語習得 / 文章構成 / 第1言語の影響 / 日本語学習者 / 主題文 / 構成パターン |
Research Abstract |
本研究は、学習者の第2言語(L2)の文章構成において、第1言語(L1)の文章構成がどのような影響を与えるのか、マクロな文章構成の観点からL1の転移を検討し、さらにL1の影響がL2の習熟度とどのように関連しているのかを明らかにすることである。本研究では、中国語をL1とする日本語学習者の論説文を対象としている。 本年度は、日本語の習熟度の要因を中上級に統制し、文章構成におけるL1の影響を検討した。データは、中上級の中国語母語話者16名が書いたL1の中国語の作文16編、そのL1の文章を参考にL2の日本語に翻訳した作文16編、L2の日本語で直接書いた作文16編の計48篇である。マクロな文章構成の分析指標として、主題文の位置、構成パターン(演繹、帰納、その他)、まとめ文の有無の3指標を採用し、分析した。作文の質は、石橋(2002)に従って内容、構成、言語形式の3要素のそれぞれの下位項目について5段階評価し、分析した。その結果、次のことが判明した。 1)直接日本語で書いたL2作文と中国語で書いたL1作文では、主題文の位置に差が見られた。L2の作文は、より日本人の文章の主題文の位置に近い結果を示した。 2)L2の作文の構成パターンは、L1作文のそれに類似していたが、L2の作文はL1の作文より日本人の書く文章の特徴とされる演繹でも帰納でもないその他のパターン、まとめ文の有無では、意見のみでまとめ文のない文章の割合が多い傾向にあった。 3)作文の構成の質に関しては、L1の作文とL2の作文の得点間に相関がなかった。 4)L1からの翻訳のL2作文はもとのL1の作文と構成の特徴が類似していたが、構成の質の得点には相関がなかった。 これらの結果から、L2の作文の文章構成は、比較的習熟度の高い中上級レベルでは、L1からの影響よりL2の習熟度やL2の作文教育等からの影響が示唆された。
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