Budget Amount *help |
¥3,890,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
純度99.999%,厚さ0.5mmのアルミニウム板を,濃度0.2mol/lのシュウ酸中で陽極酸化した.電流密度を10mA/cm^2とし,60分間定電流電解を行った.微細孔の直径は約40nm,間隔は約120nm,深さは約3μmである.次に,濃度0.1mol/lのリン酸中で定電流電解と定電圧電解を行い,微細孔底部のバリア層の厚さを均一にした.その後,白金板を対極として,微細孔中にコバルトなどの金属を電気めっきによって充填した.パルス電圧は8Vから10V,幅は10msから50ms,周期は100msから200ms,パルス数は100から1000である. 微細孔中に白金を充填し,その上にコバルトを充填した.白金の充填条件を一定に保ち,コバルト充填の電気めっきのパルス数を増やすと,それにともなってコバルトの充填量が増え,飽和磁気モーメントが大きくなった.白金下地がない場合よりも垂直磁化曲線の角型比が高くなり,0.8から0.9の高い値が得られた.また,保磁力は約1.5kOeであり,白金下地がない場合(約1.2kOe)よりも大きくなった.白金下地上に成長させることによってコバルトの結晶配向性が変化するために磁気特性が向上すると考えられるが,X線回折ではまだ明瞭な結論が得られていない.次に,これらの試料を真空中,600℃で熱処理した.その結果,飽和磁気モーメントが10%から20%低下した.しかし,垂直磁化曲線の保磁力や角型比はほとんど変化しなかった.この結果は,白金下地上にコバルトを成長させて熱処理するだけでは,高保磁力のコバルト白金規則合金を生成させるのがむずかしいことを示唆する.コバルトと白金の合金化を促進させるためには,コバルトにリンを添加するなどの方策が必要と考えられる.
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