Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
金属ガラスのAs-grown試料とT_g直下の温度で熱処理した試料を用いて, 縦波および横波の音速から, 縦弾性定数(圧縮弾性定数)c11と横弾性定数(ずり弾性定数)c44を求め, 構造変化と緩和現象が機械定数に及ぼす効果を調べた. また, これらの機械定数の温度依存性を室温から液体窒素温度までの範囲で測定し, 低温領域での構造の安定性を調べた 研究対象の金属ガラス材料として、Zr 基金属ガラスの中で, 構成成分比が最適化され, また優れた機械的性質を持つZr_(50)Al_(10)Cu_(40), これまで見出された金属ガラスの中で, 最大の金属ガラス生成能を持つ, Pd 基金属ガラス, これらに加えて, これまで発見された金属ガラスの中で, 最低のガラス転移温度を有するCa-Mg-(Cu, Ag)系金属ガラスを選んだ. 最近発見されたCa_(57)Mg_(19)Cu_(24)をはじめとするCa-Mg-(Cu,Ag)バルク金属ガラスの特徴は種々の金属ガラスの中で(1) 低密度, (2) 低ヤング率, (3) 低ガラス遷移温度, (4) 広い過冷却液体領域を持つことである. このような特性を持つCa 基金属ガラスは比較的低温(過冷却液体領域)でプラスティック金型により形状を転写することが可能であり, 被転写材料として, また, 骨と同程度のヤング率を持つため, 生体材料への利用も期待されている材料である. しかし, 発見されて間もないので弾性定数等の機械的性質は明らかにされていない 密度増加率と静的機械特性値とは線形の相関を示した. As-grown 試料と熱処理試料の静的機械定数を比較すると, やんぐ率, 剛性率及び体積弾性率は密度増加率に比例して増加し, 一方、ぽあそん比はCa基金属がらすでは比例して減少傾向にあったが、Zr 基金属がらすとPd 基金属がらすでは試料に依存して、わずかに増減し、明確な傾向は得られなかった. また, やんぐ率, 剛性率及び体積弾性率は密度の変化率に比べて10~20倍程度大きく変化することが明らかとなった. 試料の静的機械定数は, 構造緩和による密度変化に対して敏感であると考えられる. また結晶化することにより, 機械定数はその変化率が格段に大きく変化し, 金属がらすの特性が失われることを示している 縦波音速変化よりc11 の温度変化△c11(=(c11(T)-c11(288K))/ c11(288K))と横波音速変化より, c44 の温度変化△ c44 (=(c44(T)-c44(288K))/c44(288K))を得た. それぞれの温度依存性においては, 定量的には異なる振る舞いが観測されたが, (1) 温度降下とともに200K以下で音波伝播が不能になる, (2) 温度上昇に伴い約200K近傍で音波伝播が復活する, (3) 260K以上の温度では温度依存性に履歴がないことは共通に観測された. 200Kから260Kまでの温度領域の音速の振る舞いは, 試料ごとに異なる振る舞いを示した.熱処理によって, 温度依存性の異常性は、定性的にはよく似た振る舞いを示した。これらの異常温度依存性については, 原因の究明ができず, 今後の課題として残された. 全体的に弾性定数の温度依存性における変化率は、熱処理によって上昇した. 原因として低温側における試料の熱収縮の効果に起因するのではないかということが考えられる
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