Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
SDラットの大槽に自家動脈血を注入し,脳血管攣縮モデルを作成した。脳血管攣縮の評価は脳血管撮影を施行しておこない,脳血管攣縮の経時的変化をグラフ化した。次いで,くも膜下出血後の静脈血および脳脊髄液中の細胞外マトリックス蛋白であるテネイシンC濃度をELISA法を用いて経時的に定量し,脳血管攣縮との関連を評価した。脳脊髄液中のテネイシンC濃度は血腫注入直後にピークとなり,その後,漸減したが,その値は脳血管攣縮より,むしろくも膜下出血後に2次的に生じる脳損傷の程度を反映していた。一方,血液中のテネイシンC濃度は脳脊髄液とは異なる経時的変化を示し脳血管攣縮発生時にピークを示し,血管撮影上の脳血管攣縮の程度と相関し,脳血管攣縮が高度な程,高値を示した。そこで,脳血管撮影後にラットを安楽死させ,脳および脳動脈を採取し,HE染色とテネイシンCに対する免疫染色の2重染色をりおこなった。その結果,テネイシンCは正常の脳底動脈の外膜で軽度に染色されるが,くも膜下出血後,その程度は著明に増強されることが明らかになった。更に,脳血管攣縮を高度に起こした脳底動脈壁では,外膜だけでなく,平滑筋層や内膜でもテネイシンCは高度に染色された。また,テネイシンCの誘導を抑制する効果があるシロスタゾールの投与により,脳血管攣縮の発生が有意に抑制されることを明らかにした。 くも膜下出血後の静脈血および脳脊髄液中のテネイシンC濃度はヒトでも検討し,ラットと同様の経時的変化を示し,脳血管攣縮例で有意に高値を示すことが明らかとなった。 以上より,テネイシンCがくも膜下出血後の脳血管攣縮や脳損傷の病態に関与している可能性がはじめて明らかとなり,シロスタゾールにより治療できる可能性をはじめて示した。
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