木材細胞の内こう強化に重点を置いた出土木材の保存処理
Project/Area Number |
18650261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural property science
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
栗本 康司 Akita Prefectural University, 木材高度加工研究所, 准教授 (60279510)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 保存科学 / 出土木材 / 考古学 / セルロース誘導体 |
Research Abstract |
遺跡の発掘調査にともない出土する木製品や自然木は通常、出土木材と呼ばれている。長い年月にわたり土中に埋没している間に、木材自身は著しく腐朽している。そのため腐朽して流出した木材細胞壁成分は水と入れ替わり、非常に高い含水率状態で発見される場合がほとんどである。こうした出土木材をひとたび乾燥させてしまえば、脆弱な細胞壁は水分蒸発にともなう乾燥応力に耐えられずに変形・収縮を起こし、再び元の形状に戻すことはできない。 本研究の目的は、凍結乾燥後は繊維状の多孔質体となるセルロース誘導体を用いて、細胞内こうを支えることにより変形・収縮を抑制し、軽くて丈夫な出土木材を作り出すことである。 実験ではメイセラーゼ処理により低分子量のセルロース誘導体を調製したのち、これを用いて最大含水率が312%のスギ材および588%のクリ材を処理した。真空凍結法により乾燥したスギ試料の内こうに多孔質体の形成を確認した。しかしながら、いずれの試料でも空隙充填率が10%程度と低かったことから乾燥時にスギで0.5-3%程度、クリで3-7%程度の寸法変化が認められた。今後はより低分子量のセルロース誘導体を用いることや保存処理濃度を増すことにより細胞内こうの変形・収縮が抑制できるもとの考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)