Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
循環型社会形成の一つの手法として,「地産地消」が叫ばれている。農業の進歩は園芸施設の開発等,作物の周年供給に大きく貢献したが,その一方で,地産地消型農業を過去のものとし,農業のエネルギー消費量を増大させている。「エネルギー依存型農業」はエネルギー価格高騰のリスクや地球温暖化への影響を孕んでいる事から,「低エネルギー投入型農業」の実現が望まれる。そのためにはエネルギー消費量の変遷を明らかにし,エネルギー消費量削減のための方策を検討する必要がある。本研究では,園芸施設の面積が最も広く,エネルギー消費量が高いと予想される野菜に関してのエネルギー消費量の変遷を明らかにした。 結果によると,野菜生産によるエネルギー消費量は1975年から1994年の間に約2,700TJから3,200TJに増加していることが明らかとなった。とりわけ,トマト生産によるエネルギー消費量の増加が1980年代から顕著であったが,それは冬春トマトの生産による光熱動力の使用量の増加と冬春トマトの生産量の増加が原因である。また,季節ごとの野菜消費量の変遷を解析した結果,夏秋トマトの消費量が減少し,冬春トマトの消費量の増加が明らかとなったことから,これが冬春トマトの生産量の増加に寄与していると考えた。 そのため,エネルギー消費量削減対策として,旬の時期に生産された作物を旬に消費する「旬産旬消」によるエネルギー削減効果並びに農家所得への影響を定量化した。その結果,仮に1億人が冬春トマトを夏秋に400g旬産旬消することでエネルギー消費量の7%を削減できることがわかった。 以上のことから,トマトの旬産旬消は生産によるエネルギー消費量を削減し,光熱動力費の増加に伴う農家所得への影響を小さくできる取り組みであるといえる。
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