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「扮装像」に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18652015
Research Category

Grant-in-Aid for Exploratory Research

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Aesthetics/Art history
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

野村 幸弘  Gifu University, 教育学部, 准教授 (20198633)

Project Period (FY) 2006 – 2007
Project Status Completed (Fiscal Year 2007)
Budget Amount *help
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Keywordsカラヴァッジョ / アルテミシア・ジェンティレスキ / 聖フランチェスコの法悦 / ダヴィデとゴリアテ / ユーディットとホロフェルネス / セクシュアリティ / 扮装像 / ドメニコ・ギルランダイオ / フランドル絵画 / フーホー・ファン・デル・フース / ミケランジェロ
Research Abstract

ミケランジェロの「扮装像」の表現を受け継いだのが、カラヴァッジョである。カラヴァッジョは大きく分けて、十代と思われる少年、ひげを生やした成人男性として、その初期作品から登場する。《病めるバッカス》、《果物籠を持つ少年》、《聖フランチェスコの聖痕拝受》である。《聖痕拝受》は、ミケランジェロの《サウロの回心》を下敷きにし、《ダヴィデとゴリアテ》もミケランジェロの《最後の審判》における聖バルトロメオの表現を意識して描かれている。カラヴァッジョは、これらの作品で、ミケランジェロの扮装表現を、官能的に解釈し直したり、描かれた人物の視線を通して、交感、感情移入の表現を行い、絵画の心理的表現を実現している。
そうした心理的、感情的、主観的な扮装表現を推し進めたのが、アルテミシア・ジェンティレスキである。《ユーディットとホロフェルネス》では、画家自らが、絵の中のいわば脇役に甘んじず、主役として積極的に物語に参加する。この作品で彼女はアブラに扮し、ホロフェルネスの殺害に関与する。それが彼女の実人生と深い関わりを持っているのである。
ルネサンス以降、絵画表現が、広く宗教や社会、文化との関係というよりも、むしろ画家個人の性格や人間関係、セクシュアリティ、あるいは実生活上のプライベートな出来事と密接な関係を持ち始めることが、扮装論の視点から見えてくる。扮装は、芸術家の個性、あるいは自意識に関わる問題である。しかし、自作の中で扮装する画家が、作品の言わば「造物主」でありながら、かならずしもそこで神のように振る舞うわけではない点が興味深い。そこには複雑な心理過程や屈折、韜晦があって、ストレートな自己表現や全能感に満ち溢れた表現となっているわけではない。ルネサンスの画家は外界の目に見える世界を正確に認識するために、絵画を描き始め、それはやがて科学的な物の見方へと受け継がれていったわけだが、それと同時に、自己の内面という目に見えない世界を認識しようという欲求が芽生え始めていたのである。

Report

(2 results)
  • 2007 Annual Research Report
  • 2006 Annual Research Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2007 2006

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 扮装論(II)2007

    • Author(s)
      野村 幸弘
    • Journal Title

      岐阜大学教育学部研究報告 56・1

      Pages: 67-77

    • Related Report
      2007 Annual Research Report
  • [Journal Article] 扮装論(I)2006

    • Author(s)
      野村幸弘
    • Journal Title

      岐阜大学教育学部研究報告 54・2

      Pages: 63-70

    • Related Report
      2006 Annual Research Report
  • [Journal Article] レオナルド、ミケランジェロ、そしてカラヴァッジョ2006

    • Author(s)
      野村幸弘
    • Journal Title

      岐阜大学教育学部研究報告 55・1

      Pages: 93-103

    • NAID

      110004854473

    • Related Report
      2006 Annual Research Report

URL: 

Published: 2006-04-01   Modified: 2016-04-21  

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