発達の多様性を描くための複線径路・等至性モデルの開発
Project/Area Number |
18653069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐藤 達哉 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (90215806)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 複線径路等至性モデル / 等至点 / 文化心理学 / 質的研究 / 複線径路・等至性モデル / システム / 等至性 |
Research Abstract |
複線径路等至性モデルは文化心理学および質的研究の方法論として開発されてきた。心理学研究において、研究の対象は「変数」であって個人ではなかった。複線径路等至性モデルは個人と時間を重視するための方法論であり、個人の人生における様々な「出来事」に焦点をあて、それ以前、それ以後の様々な径路を考えるものである。たとえば、ファースト・キスという現象がある。中学生で経験する人もいれば成人後に経験する人もいるだろう。これまでの研究方法では、ファースト・キスの平均年齢は*才だ、とか、小中高大での経験率の比較を行い、中学生で経験する人と大学生で経験した人の違いは**である、という分析がおこなわれてきた。複線径路等至性モデルは、歴史的構造化サンプリングというサンプリング方法と組み合わされており、個人が「ファースト・キス」を経験するということそれ自体を等至点としてサンプリング事象とする。たとえば戦前の日本では、ファースト・キスは結婚する人としか許されないと考えている人さえいた。これは歴史的文化的価値観がそのように思わせていたのである。現在の日本でそのように考える人は殆どいないだろうが、それぞれの価値観や経験や偶然的な条件で、ファースト・キスという現象に向き合うことになる。その影響も個々人で異なっているだろう。複線径路等至性モデルは、現象をサンプリングすることと時間を捨象しないという方針によって、個々人がある経験に至る必須通過点や、経験後の人生を描くことを可能にする。特に、その多様性を描くことが容易である。 以上、複線径路等至性モデルは個々人の生き様そのものを描く質的研究の方法論なのである(科研費受給期間である)。この3年間で様々な研究発表をしてきた結果、この研究法は国内外で関心をひきはじめている。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)