Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
今年度は,色付きJones多項式の漸近挙動と,結び目群のSL(2,C)への表現を中心に調べた. 色付きJones多項式は,リー環sl(2,C)のN次元表現に対応した,結び目の量子不変量であり,パラメータとしてqを持つ.q=exp(a/N)とおき,Nを大きくしたときの漸近挙動と,aによって決まる,結び目補空間の基本群から,リー群SL(2,C)への表現との関係が研究対象である. これまでの研究は,おもに(もっとも簡単な双曲結び目である)8の字結び目と,トーラス結び目に限られてきたが,これらについては,次のような結果を得た.8の字結び目に対しては,a=2πiのとき,結び目補空間の完備双曲構造を決定する表現に対応し,色付きJones多項式は指数関数的に発散し,発散の度合いとして双曲体積が現れる.aを2πiから少し動かすと,それに対応して表現も動き体積も変形される.また,aが0の近傍のときは,可換表現に対応し,色付きJones多項式は収束する.また,Alexander多項式の零点になるとaffine表現に対応し,色付きJones多項式は多項式的に発散する.トーラス結び目の場合も同様の振る舞いをすることがわかった. 今年度は,上述の結果を5_2結び目(8の字結び目の次に簡単な双曲結び目)に拡張すべく様々な考察や計算を行った.この場合,これまでと違って計算が格段に複雑になり,コンピュータによる実験も困難であった.まだ,実験の段階であるが,パラメータqが実数のときの色付きJones多項式の漸近挙動と,Chern-Simons不変量,および基本群のSL(2,R)への表現への関連が得られそうである.
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