Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
1.完備オーソモジュラ束の可換子の導入:完備オーソモジュラ束の任意の部分集合に対して,その可換子を定義した。任意の完備オーソモジュラ束は,全体集合の可換子で生成される直和因子とその補元で生成される直和因子に分解され、前者は完備ブール代数,後者はブール束を直和因子に持たない束になる。 2.完備オーソモジュラ束の含意の導入:完備オーソモジュラ束に,可換元の間では古典論理の含意に一致するなど極めて一般的な要請を満たす含意論理接続詞のクラスを導入し,それらの性質を調べ,その最大のものと最小のものを特徴づけた。 3.完備オーソモジュラ束に基づく量子集合の構成:任意の完備オーソモジュラ束上で上記のクラスに属する任意の含意接続詞を持つ論理に対して,量子集合論の普遍類を定義し,それらを定項として含む集合論の任意の論理式にその射影束の元を真理値として対応させる規則を定義し,有界論理式の真理値は,その定項が含まれる部分環に依存しないで絶対的に定まること(絶対性性原理)を証明した。ZFC集合論の普遍類からの埋め込みを定義し,それらのみを定項として含む有界論理式の真理値は,ZFC集合論における真理値と一致することを示した。 4.量子集合論における移行原理:定項の集合に対して,それらが互いに可換であることを意味する命題の真理値を定義し,ZFCで証明される任意の論理式について,その定項に関する可換性の条件の下では,量子集合論で常に成立する事を表す移行原理を証明した。これまでの研究では,完備オーソモジュラ束がvon Neumann環の射影束の場合で,かつ,含意接続詞が佐々木アローである場合に,ZFCで証明される任意の「有界」論理式についてのみ移行原理が証明されていた。本研究により,これらの制約が大幅に緩和され,究極的な定式化のもとでZFCから量子集合論への移行原理が確立された。
|