Project/Area Number |
18654065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 亮 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (70198654)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 単極誘導 / Faraday回転子 / 並進相対運動 / 銅酸化物超伝導体 / Pr置換系超伝導体 / Pr124 / Pr123 / 混合焼結体 / 回転相対運動 / 電気力学 / 誘導起電力 / 誘導電流 / Pr系超伝導体 / 格子散乱 / Pr-Ba-Cu-O系超伝導体 |
Research Abstract |
本研究は、Faradayの発見した単極誘導(MI)効果が、固体中のキャリアが結晶格子から受ける散乱を反映したもので物性研究手段にもなる現象であることに着眼し、今日においてもしばしば論争の原因となる回転座標系への変換の問題から逃れた、よりシンプルで明確な実験のアレンジを考案し、それを超伝導体の物性測定に適用することまでを試みたものである。 金属円筒回転子の両端に、同極対向型にNd系永久磁石を配する装置アレンジを採用し、回転子と、その外部の還路配線系の両者のそれぞれを独立に回転運動させる実験を行うことで、導体回転子と還路配線系の(並進的)相対速度に比例した誘導電流が明確に観測された。また、回転方向の反転を行うことで、相対速度に対する電圧の反転対称性も厳密に確められた。さらに、付随的な成果として、このアレンジを用いた場合には、発電機構としての内部抵抗が、従来型のFaraday回転子に比べ数割程度低減することが分かった。これにより、低電圧・大電流発電機としての応用技術にも結びつく可能性が生じた。 一方、同様の装置系で超伝導MI(電流)をとらえようと試みたが、超伝導転移点の上下で有意な信号の差は検出されず、クーパー対の散乱効果の有無は判定できなかった。これについては、今後の継続課題とする予定である。 上と並行して、今後、MI効果と関連した実験を予定するY系およびPr系酸化物伝導体の基礎物性を調べた。着目されるのは、これまで超伝導を示さないとされているPr124とPr123の両者を混合焼結し還元処理した試料が、超伝導の兆候を示した事実である。このことは、Pr124中のCuO複鎖がPr123領域からの電界移動の影響を受け、超伝導になる可能性を示唆している。なお、次頁以降に記載した、現時点で報告・出版されている成果は、この酸化物伝導体の物性に関するものであることを付記しておく。
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