Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 直之 静岡大学, 理学部, 教授 (60011631)
渡辺 俊樹 名古屋大学, 理学部, 准教授 (50210935)
熊澤 峰夫 静岡大学, 理学部, 教授 (60022571)
鳥居 孝夫 静岡大学, 工学部, 教授 (70188829)
森田 信義 静岡大学, 工学部, 教授 (70022233)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
精密に振幅と位相を制御した弾性波を連続送信して地下の状態探査監視する技術(アクロス:ACROSS:Accurately Controlled, Routinely Operated, Signal System)を発展させ,海上を曳航して使える方法を検討し,その具体化を実現する戦略を確保し,そのための技術的資料を作成するのが本研究の目的である。次世代の地下深部〈海域〉研究においては,地下の状態変化の検出を目指した監視観測手法を確立することが急務である。そのため,海底設置型のアクロス送信装置と並行して,海面上を曳航して送信する装置の開発を目標として設定し,既存の探査手法との比較検討を試みた。 昨年度は,理論的考察と概念設計を始めた。とくに技術的評価では,海水面上で精密制御した定常的弾性波信号を発信する装置技術について,従来の大容量エアガンによる送信波形やノイズについてやや詳しく検討を行った。まだ充分ではないが,ノイズや高調波成分などについて地震アクロス送信で克服すべき信号精度やその安定度について,ある程度の見通しを得た。また,実用性評価では,送信信号の長時間スタックで,海面上アクロスにとって最適なスタック方法についてやや原理的な解析手法を検討した。ただし,現実的なデータに適用するためには更なる工夫が必要であることが分かった。今年度は,昨年同様に以下の2つのアプローチをそれぞれ進展させた: (1)技術的評価:送信装置の機構では,常識的な「船底加振方式」,および「パイプオルガン方式」がある。そこで本研究では,それらの変種、および他にもいくつか新規アイディアを検討した結果,各種の水中音波送信アンテナの設計とその送信効率(送信周波数・波数特性)や水面上を曳航しながら安定な連続送信をする技術上の問題点とその対応方策など,重点的に議論してある程度の結論を得た。 (2)実用性評価:(実用化のために目標を5年間と設定して,実現させるための具体化案を検討した)(ア)水面上を曳航できる(位置と姿勢が繰返し送信時間と同程度で変化する)連続送信装置の信号を長時間スタックして,高いS/Nを得るためのスタック手法の開発/改良にある程度のメドを得た。(イ)曳航型アクロスにおいて安定な連続送信のための概念設計とシミュレーションを行った。本計画では,役割分担を4つにわけてそれぞれが2人づつ組んで責任を持って資料を収集するとともに,総合評価会議ではより具体的な問題点を整理して,実用化への道筋を作成した。
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