Project/Area Number |
18655009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅尾 直樹 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60241519)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 求核置換反応 / 金触媒 / ピリリウム型中間体 / エーテル化反応 / Fridel-Craftsアルキル化反応 / エーテル合成 / アセチレン結合 |
Research Abstract |
有機合成化学において求核置換反応は、求核付加反応と並んで最も重要な結合形成反応のひとつである。塩基性条件下での反応では、化学量論量の塩基が必要となるが、ルイス酸触媒条件下での反応の場合、触媒量のルイス酸で十分なため、より環境調和型の反応といえる。一般にルイス酸触媒は、高い酸素親和性や窒素親和性を有しているため、それらヘテロ元素を含む脱離基部位がルイス酸に配位し、結果としてそれら脱離基と反応点の結合力が低下し、求核剤が攻撃できるようになる。しかしこの場合、温和な条件下で反応を行うためには、高い脱離能力を持つ脱離基を用いるか、より活性の高いルイス酸の利用が必要になる。一方、最近金触媒が有機合成化学の分野で高い注目を浴びている。これは金触媒がヘテロ元素への親和性と共に、炭素親和性を有しているためであり、特に炭素-炭素三重結合に対し優れた活性化力を有している。本研究では基質をデザインすることにより、この金触媒を用いた新たな求核置換反応の開発について検討を行った。その結果、オルト位にアルキニル基を有する安息香酸エステルに対し、金触媒存在下でアルコールを作用させるとエステルのアルキル部位をアルコールが攻撃し、エーテル結合が形成されることを見出した。この反応は、基質のアルキニル基を金触媒が活性化し、エステルのカルボニル酸素がこれを分子内で攻撃して、ピリリウム型中間体が生成し、これに対しアルコールが攻撃したと考えられる。本反応では、特に活性の高い脱離基やルイス酸を用いることなく、温和な条件下で反応を進行させることに成功しているが、これは本反応の脱離基がもともと基質に存在したベンゾエートではなく、反応系内で脱離性の高いイソクロメノン誘導体に変化しているためである。更に本反応をFridel-Craftsアルキル化に適用したところ、やはり反応は温和な条件下で進行し、効率的な芳香族化合物のアルキル化に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)