Project/Area Number |
18655011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久新 荘一郎 群馬大学, 大学院工学研究科, 教授 (40195392)
|
Project Period (FY) |
2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
|
Keywords | ポリシラン / ポリゲルマン / π単結合 / 結合伸長異性体 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで知られていなかったケイ素-ケイ素π単結合をもつ化合物を合成し、その構造や性質を以下のように明らかにした。 trans-1,-ジブロモ-1,2,2,3,4,4-ヘキサ-tert-ブチルシクロテトラシランを2等量のカリウムで還元すると、1,2,2,3,4,4-ヘキサ-tert-ブチルビシクロ[1.1.0]テトラシランが橙色の結晶として50%の収率で得られた。X線結晶構造解析の結果、ビシクロ[1.1.0]テトラシラン環は完全な平面構造をとっていることがわかった。橋頭位のケイ素-ケイ素結合長は2.856Aであり、これはこれまでに報告されている最も長いケイ素-ケイ素結合(2.697A)より大きな値である。ESR、直流磁化測定、分子軌道計算、^<29>Si NMRなどの結果から、橋頭位のケイ素-ケイ素結合はπ結合のみの単結合であることが明らかになった。ビシクロ[1.1.0]テトラシランには、長結合異性体、短結合異性体という二つの結合伸長異性体が存在することが理論計算から予測されているが、この化合物の生成はケイ素-ケイ素π単結合をもつ第三の結合伸長異性体が存在することを示している。 同様にして、trans-1,3-ジブロモ-1,2,2,3,4,4-ヘキサ-tert-ブチルシクロテトラゲルマンを2等量のカリウムで還元すると、1,2,2,3,4,4-ヘキサ-tert-ブチルビシクロ[1.1.0]テトラゲルマンが得られた。この化合物はケイ素類似体とは異なりビシクロ[1.1.0]テトラゲルマン環はやや折れ曲がった構造をしている。また、橋頭位の二つのゲルマニウム原子はいずれもピラミッド構造をとり、その原子間距離は3.127及び3.121Aであった。理論計算によると、ゲルマニウム原子間にはやや歪んだπ単結合が存在することが示唆される。このゲルマニウム-ゲルマニウムπ単結合の性質についてさらに検討する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)