Project/Area Number |
18655012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 栄一 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (00134809)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 有機化学 / 構造解析 / 電子顕微鏡 / カーボンナノチューブ / 構造決定法 |
Research Abstract |
1分子1分子をあたかも分子模型のように見ることは自然科学者の長年の夢である.本研究では,透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて孤立有機分子の原子像および化学反応を観察することで,全く新しい有機構造化学の橋頭堡を築くことを目的としている.前年度までに,有機分子一分子の形と運動の直接観察に世界で初めて成功している.本年度はさらに観察対象の幅を広げ,様々な分子の単分子構造観察と,その動的挙動の観察に挑戦した. フラーレンとピレンをアミド結合で繋いだ分子をカーボンナノチューブに内包させてTEMにより観察したところ,ピレン部位が回転する様子を動画として捉えることに成功した.また,アミド基のコントラストを明確に確認することができ,電子顕微鏡による官能基レベルの構造同定が可能であることを示した. さらに,炭化水素鎖がカーボンナノチューブ表面に存在する孔を通過する様子を観察することができた.フラーレンに炭化水素鎖を結合した分子をチューブに内包すると,時折炭化水素鎖がホーンの外へ突き出し,数秒の後にまた内部へと戻っていく様子が明瞭に観測された.膜を透過する分子の様子をとらえた例というのは過去にも例が無く,膜と分子の相互作用をみる新しい研究手法となりうることが期待される. 以上はカーボンナノチューブの中に閉じこめた分子の構造観察であるが,ナノチューブ表面上に結合した鎖状分子のより自由な動きを直接観察することも可能であることが明らかとなった.アミノ化カーボンナノチューブ上にビオチン部位を有するトリアミドを結合し,高分解能透過型顕微鏡観察を行った結果,ナノホーンの突端に結合したアミドの単分子像が得られた.画像のコントラスト解析により,複数のアミド分子に対してその立体配座を決定することができた.さらに,アミド分子の配座変換の様子を数分にわたる動画として記録することにも成功した.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)