ポリペプチドをmolecular scaffoldとする機能性錯体の次元集積化
Project/Area Number |
18655023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森内 敏之 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60281119)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | ポリペプチド / ポリグルタミン酸 / 発光性錯体 / 次元集積化 / 特異発光 / エナンチオ選択的錯形成 |
Research Abstract |
生体内では、DNAの二重らせん構造やペプチドのα-ヘリックスやβ-シートなどの高次構造を形成することにより、特異的な機能が発現されている。そのような高次組織化された生体分子への機能性錯体の導入は、新規バイオマテリアルやレドックスシステムの開発につながるものとして期待されている。本研究では、不斉構造規制された生体分子の高次構造をmolecular scaffoldとして着目し、機能性錯体を次元集積化し、機能物質本来の機能を越えた、または全く別の機能を有する機能性集積型錯体システムを創成することを目的とし、研究を展開した。本年度は、ポリグルタミン酸側鎖のカルボキシル基におけるアニオン性を活用することで、カチオン性の発光性白金錯体の導入が可能であるとともに、白金錯体同士の相乗効果に基づく発光挙動を明らかにした。 ポリグルタミン酸(P(Glu))の側鎖に対して0.2当量のジドデシルジメチルアンモニウムニウムブロマイド(DDABr)とP(Glu)を水中で反応させることにより、メタノールに可溶なP(Glu)-DDAを得た。P(Glu)-DDAと、0.2当量のアルキル鎖を持たない白金錯体PtHまたは、アルキル鎖を有する白金錯体PtC_<12>をメタノール中で反応させ、各種スペクトルで検討を行った。CDスペクトルにおいて、PtHあるいはPtC_<12>のいずれの白金錯体を導入した場合においても、白金錯体部位の吸収付近に正のCotton効果が観測され、いずれの白金錯体もP(Glu)の不斉環境に存在していることが示唆された。PtC_<12>を導入したP(Glu)-DDA-PtC_<12>の発光スペクトルにおいて、PtHを導入したP(Glu)-DDA-PtHではほとんど見られなかった白金-白金相互作用に起因するMMLCT遷移に基づく相乗系発光が800nm付近に観測された。ポリグルタミン酸を土台分子とする白金錯体同士の相互作用に基づく相乗系発光錯体システムの開発が可能となった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)