Project/Area Number |
18655040
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
網井 秀樹 Kobe University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00284084)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 有機化学 / 有機工業化学 / 有機合成化学 / フッ素 / 有機触媒反応 |
Research Abstract |
天然アミノ酸・プロリン等の有機分子触媒は、ユニークな活性を示す低環境負荷型触媒として、大きな注目を浴びている。これまでに国内外の複数の研究グループにより、プロリンまたはその誘導体を用いる不斉触媒反応が報告されているが、一般的には触媒効率が良いとは言えない。本計画研究目的は、有機分子触媒反応の効率化であり、特に従来の有機分子触媒にない触媒機能の高活性化・多様化を目指している。本目的を達するために注目した候補化合物は含フッ素アミノ酸及びその誘導体である。分子内の適切な位置にフッ素原子を有するアミノ酸を用いると、従来のアミノ酸とは異なり酸性度上昇による触媒効率の向上、有機触媒分子のコンフォメーションの固定化などが見込めるため、含フッ素アミノ酸(非天然アミノ酸)の効率的合成法の開発がまず必要となる。私たちは本年度、β,β-ジフルオロプロリン残基導入ブロック(ジフルオロオレフィン部分を利用した非縮合法)を開発し、論文発表を行なった。ジフルオロプロリン誘導体を有機触媒として用いる炭素-炭素結合形成反応について、非フッ素系の有機触媒分子との反応性の違いを厳密に論じつつ、調査を継続している。本年度はさらに、有機分子触媒反応における溶媒及び添加物について検討を行ない、有機分子触媒反応の効率化を試みた。まず、プロリンを用いる有機触媒反応における含フッ素アルコールの添加効果について調査した。具体的にはDMSO溶媒中、ベンズアルデヒド類とアセトンとの直接的アルドール反応において、少量の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを添加すると、無添加の原系と比較して、生成物のeeはほとんど変化せずに化学収率が向上することがわかった。さらに、芳香族化合物への求核的トリフルオロメチル化における含窒素化合物の添加効果についても調査を行ない、高い化学収率でトリフルオロメチル化合物を得た。
|