可視光応答水分解能を有するナノサイズ光半導体/炭素クラスター複合体の構築
Project/Area Number |
18655063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉原 正邦 近畿大学, 理工学部, 教授 (50088374)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 光触媒 / 水分解 / 水素製造 / 炭素クラスター / 複合体 |
Research Abstract |
本研究では、太陽光の全波長吸収素材として可視光全領域にわたって吸収能をもつグラファイト様炭素クラスターCxを、光励起素材として光半導体を用い、Cxと半導体が均一に分布した半導体/Cx複合体を構築し、可視光全域で機能する光触媒系を構築することを目標に以下の検討を行った。 二種金属酸化物(Ga/In,Ge/Sn,Nd/Yb)/Cx/Pt複合体を金属一有機基交互構造を有する前駆体の焼成によって合成した。焼成体を元素分析,TEM,XRDの各種分析法によって検討したところ、いずれの系においても、ナノサイズ(5-25nm)の化合物半導体が炭素クラスターマトリックスに均一に分散した構造を有していることが判明し、目的の複合体が形成されていることが確認された。 さらに得られた複合体のESRスペクトルを測定したところ、全ての系において337mT付近にフリーラジカル種に由来するシグナルが観測され、化合物半導体から炭素クラスターへの電荷分離を生じていることが強く示唆された。また、シグナル強度はNd/Yb系が最も強く、希土類酸化物半導体系において高い電荷分離能の発現が認められた。そこで、Nd/Yb系において酸化剤一還元剤存在下におけるESRスペクトル測定を行ったところ、還元剤の添加によってシグナル強度が増大し、酸化剤の添加によってシグナル強度が減少することが判明し、本複合体が可視光励起酸化還元活性を示すことが判明した。単一金属系の酸化還元活性の検討より、本系ではNd_2O_3から炭素クラスターを介してYb_2O_3に至る連鎖的電子移動を生じていることが判明した。以上の結果は植物の光合成システムと同様に多段階励起機構を完全固体系で構築したものと言え、可視光機能性光触媒として新たな可能性を示せたものと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)