Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
噛み合わせの不具合は,単に歯科領域に関する疾患の誘発にとどまらず,医科(整形外科,外科,内科等)疾患の誘発,さらには寝たきり老人の輩出につながっていることが,噛み合わせを行う歯科医院の臨床実績に次第に表れてきている.しかしながら,噛み合わせの不正と全身の骨格系のひずみとの関係はいまだ科学的に明らかにされておらず,そのことが噛み合わせの重要性を広く市民に普及させない大きな原因とも言える.そこで,本研究では,不正咬合の生体構造に及ぼす力学的な影響を,計算力学シミュレーションに基づき明らかにした.まず,昨年度構築した頭蓋系モデルを構築し,その解析モデルを用いて種々の不正咬合に対する力学の解析を行った.その結果,片噛みに対する影響はそれ程大きくはないが,筋肉の力学的特性(ヤング率)を変化させると,それに大きく依存し額関節の支持部に生じる支持反力の正負が反転することがわかった.その頭蓋系モデルの支持部には,拘束条件によっては接続される頸椎にモーメントを発生させる偶力の存在がわかったので,筋・骨格系データベースSIMMの標準体の形状データから,頸椎,脊柱のモデルを付加し拡張した.その結果,その偶力の脊柱に及ぼす影響は極めて小さいが,脊柱を構成する椎間板の軟組織の力学モデルが大きく影響を与えることがわかり,時間応答の過程を踏まえた解析の重要性が明らかになった.咀嚼動作に係わる筋系統,および頸椎,脊柱につながるシステムを支持するための筋系統のモデリングと,軟組織のモデリングが今後の重要な課題であることが明確になった.
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