Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Research Abstract |
二軸回転球体内の流れ状態は,レイノルズ数(Re,スピン回転角速度,球の半径,流体の動粘性係数による)とポアンカレー数(Γ,歳差回転角速度とスピン回転角速度の比)の2つのパラメターのみで特徴づけられる。流れの様相は,これらのパラメターの組み合わせにより,多様に変化する。この系の流れを完全に理解するために,さまざまなパラメターの値に対する流れ構造を,理論解析,数値解析および実験によって調べた。Re>>1,Γ>>1の場合,球体内部の流れは,球面に沿う薄い境界層と,それ以外のテイラー・プラウドマン領域から成り立つことを,数値解析および理論解析により,発見した。境界層内ではスピン回転軸付近を中心とする新しいタイプの渦構造が現れた。また,内部のテイラー・プラウドマン領域では,平均流が歳差回転より速く回転するという現象(スーパーローテーション)を発見し理論的説明を与えた。さらにこの領域は,平均流粒子混合の活発な部分と混合がほとんど起こらない部分にはっきりと分離されることを理論的数値的に確かめた。Re=0(1000),Γ=0(1)の揚合は,コリオリカとポアンカレーカが競合し,流れ構造が複雑になり混合が活発になる。多数のパッシプ粒子を流して流れ構造や混合効率を数値計算で解析した。その結果,Γが0.2程度で最も大きな混合効率が得られること,Γがそれより大きくても小さくても混合効率は落ちることがわかった。これはまた,流線構造がΓ=0.2付近で最大のカオス領域をもつこととも符合する。これらの研究と並行して,上記2つのパラメターの値の広い範囲にわたって,定常流れが実現する領域と非定常流れが実現する領域の境目を示す臨界曲線を数値的に求めた。実験結果ともよくあっている。特に,Re>>1,Γ<<1の場合の定常流の安定性は,地球の外核内の流れとも関連して興味深い。現在,実験と理論解析を進めているところである。
|