Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
鉄筋に替わる構造用補強材として利用されている高強度繊維と高弾性繊維や他のFRP繊維を複数組合わせることで,単繊維では得られないより高機能な構造用補強材を試作して,それを用いた梁の破壊特性およびじん性率について解明した。高弾性タイプのアラミド繊維とガラス繊維の糸断面積比をAG=1:2で組合わせることにより,ガラス単繊維の補強と弾性率の増加が図れるアラミド・ガラスロッドを試作した。このロッド2本を軸方向補強材とし,これをスターラップでせん断補強した梁の破壊曲げモーメントは,アラミド繊維のみのロッドを用いた梁の95%にとどまるとともに,異形鉄筋で補強した梁の1.08培の破壊曲げモーメントを示す。さらに,アラミド・ガラスロッドの表面を砂吹付け処理した梁の破壊曲げモーメントは,砂吹付け処理しないアラミド・ガラスロッドの梁より7.6%増加し,異形鉄筋(D13S)の梁より17.0%増加する。擬似降伏をもつアラミド・ビニロン・PETロッド2本を軸方向補強材としてスターラップでせん断補強した梁の破壊曲げモーメントは8.71KN・mで,アラミド繊維のみのロッドを用いた梁の87%で,異形鉄筋で補強した梁と同等の破壊曲げモーメントを示す。 アラミド製の連続繊維ロープをせん断補強材として既設鉄筋コンクリートはりの外周に巻立てたときの,RCはりのせん断耐荷機構,ならびにロープ状連続繊維補強材(CFロープ)で補強したRC柱とRCはりのじん性率の比較を行った。連続繊維ロープによる既設RCはりの補強は,せん断耐力は増加しないが,連続繊維ロープがコンクリートの剥落およびはらみ出しを抑えるので変形性能は向上するためじん性補強には有効である。CFロープ補強されたRC部材を単調載荷,正負交番載荷による試験を行った結果,いずれにおいてもじん性補強効果が得られる。繊維シートの一軸引張付着試験により,シートによる補強効果は積層化したガラス短繊維よりもガラス連続繊維の方が高いことを確認した。短繊維と連続繊維のハイブリット化により僅かながら耐力とじん性を向上させることが可能となった。
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