Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,交通渋滞問題に対する新しい方策として,数量規制アプローチの考えを発展させた,以下のスキームを提案する:渋滞が頻発している特定のボトルネック地点を対象として,そのボトルネックを特定の時刻のみ通行できる権利("ボトルネック通行権")を設定・発行し,その時刻別の通行権を自由に取引(売買)できる市場を創設する.そして,この制度の理論的特性を解明することが本研究の目的である.H18年度の研究では,単一ボトルネック・システムを対象として,この制度を理論的に考察し,提案制度が以下の特性を持つことを明らかにした:(1)ボトルネック容量に等しい数量の通行権を発行・配布することによって,確実に渋滞を解消できるのみならず通行権取引市場で適切な通行権価格体系が実現する,(2)その結果,制度導入前と比較したときにパレート改善状態を達成できる,(3)制度導入後の資源配分状態は,パレート最適状態である.H19年度の研究では,この理論が一般ネットワークにも拡張できることを明らかにした.より具体的には,まず,単一ODペアを持つ任意構造の(任意の個数・接続構造のボトルネックがある)ネットワークにおいて,TBP導入下の均衡状態が最も効率的な(社会的交通費用を最小化する)資源配分を達成できることを証明した.そして,この結果は,多起点・多終点の場合,OD需要が弾性的な場合,利用者の希望到着時刻が分布する場合といったより一般的な状況でも成立することを示した.さらに,混雑料金制とTBPとの理論的関係を示した上で,TBPが混雑料金制に対して持つ(情報の非対称性および渋滞の解消に関わる)優位性を明らかにした.
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