廃棄物埋立地土壌の微生物生態構造解析に基づく温暖化ガス放出の土木工学的抑制対策
Project/Area Number |
18656151
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil and environmental engineering
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 秀樹 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (70134971)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 玉友 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30361140)
|
Project Period (FY) |
2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | 埋立地 / メタン / メタン生成古細菌 / FISH法 / tyramide signal amplification / 機能遺伝子 / locked nucleic acid / 分離培養 |
Research Abstract |
埋立地から放出されるメタンについて、その生成経路および酸化経路については十分な知見は得られていない。そこでこのメタンエミッションに関与している微生物群集の把握を最終的な目的として研究を行った。微生物生態を把握するためには、どのような種がどれだけ居るか、またどのような生息分布になっているかを知る必要がある。これらを把握するのに、微生物をシングルセルレベルで検出可能なfluorescence in situ hybridization(FISH)法は有用なツールである。FISH法は通常rRNAを標的として行われるが、埋立地などに生息する微生物は検出に十分なrRNAを有していないことが多い。また、これまでFISH法の多くはrRNAを標的としてもっぱら行われてきたが、昨今の分子生物学的手法を用いた解析から、rRNA遺伝子配列に基づいた分子系統解析によるグルーピングだけでは、微生物の機能を十分に反映しないことが分かってきた。そこで本研究では、微生物を分子系統(rRNA)および機能(mRNA、遺伝子)に基づいて検出するための高感度FISH法の開発を行った。 FISH法の高感度化には2つのアプローチを採用した。1つはシグナル増幅技術、もう1つはプローブの交雑効率改善技術である。シグナル増幅技術にはtyramide signal amplification(TSA)法に着目し、TSA-FISH法をより高感度にしたtwo-pass TSA-FISH法を開発し、メタン生成古細菌のmcr mRNAおよび遺伝子の検出に成功した。交雑効率改善技術にはlocked nucleic acid(LNA)に着目し、プローブにLNAを数カ所導入することで交雑効率が著しく改善することを証明した。これらの研究結果は、今後埋立地に生息する微生物群集を解析していく上で重要な知見となるだけでなく、海洋や土壌に生息する微生物群集生態解析にも適用することができ、微生物生態解析の基盤となる技術となる。 更にはメタン生成に関与する新たな古細菌の分離培養にも成功したことで、埋立地の微生物生態を理解するための重要な知見が得られた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)