Project/Area Number |
18656168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野田 泰明 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (00185654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 敏行 宮城工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (10125205)
徳川 直人 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10227572)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 児童養護施設 / グループホーム / 地域化 / 虐待 / 地域生活 / 小規模化 / 施設空間 |
Research Abstract |
本研究は、児童養護施設を対象に児童の目常生活の安定に空間が果たす役割の探求と脱施設化を担うグループホーム(以下、GHと略す。)の地域展開の実態から、要養護児童にとってあるべき環境を考察することを目的としたものであった。 本年度は、まず、大舎制と小舎制施設を対象に児童と職員の生活実態を記述し、それらに基づいて生活の質的側面における各施設の特性を明らかにした。なかでも職員と児童のコミュニケーションに着目することで、職員の滞在場所が安定して児童への関わりが行いやすい小舎にて、児童の内省が進んでいる実態を捉え、個別的なケアの展開における小舎制施設の優位性を示している。こうした成果は、理念的対立の狭間で科学的根拠が十分に蓄積されてこなかったこれまでの施設評価に新たな視点を持ち込んだものと考えられる。 一方、昨年度得られたGHの空間整備の状況を示すデータベースを整理するとともに海外先進事例として、日本の制度に影響を与えたオーストラリアビクトリア州におけるGHの実態を調査した。現地では政府作成のモデルプランに基づく施設整備が進められているが、安全面への過度な配慮から施設色の濃さが懸念される実態が把握された。これに対し、日本のGHは空間に対する公的支援が少ない中で、法人の自助努力により環境の整備が進められているという特性を示した。また、ビクトリア州では政府主導の用地取得や建物整備、維持管理により施設間の格差解消が目指されており、わが国でも制度や行政からのさらなる支援が必要だと考える。 以上、本研究は児童養護施設の義育環境を実証的に捉え、今後の施設計画と地域展開に寄与し得る指針を導きだした適時性に富んだ研究と言える。福祉学分野における発表も行われつつあり、今後、建築計画分野に留まらず、ひろくわが国の将釆を担う児童の養育環境へ貢献する可能性が認められると考える。
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