太陽光照射により防食機能を自己再生する有機コーティングの創製
Project/Area Number |
18656211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 泉 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20400278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40111257)
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 導電性高分子 / ステンレス鋼 / 大気腐食 / クロメー |
Research Abstract |
導電性ポリマーであるポリアニリンを用い、Fe-11Cr鋼の表面に酸化重合膜を形成し、乾湿繰り返し下での防食機構解析を実施。腐食試験用に屋外の気温と相対湿度の日変化を忠実に再現できる気象シミュレータを作製し、この中で塩化物イオン付着量を0.001〜1.0g/m^2の範囲で変化させた。膜が健全な部分では1.0g/m^2の塩化物イオン付着量でも、赤さび発生は見られないことから、膜自体の環境遮断機能は優れていることが分かった。膜欠陥部(クロスカット部)に関しては、研磨ままの試験片では塩化物イオン付着量0.001〜0.1g/m^2の条件で軽微な赤さび発生が見られたが、ポリアニリン酸化重合膜をコーティングした場合には赤さび発生が見られなかった。腐食試験後、クロスカットの周囲のみポリアニリンが変色していたことから、ポリアニリン膜と露出金属部との電気化学的なカップリングにより防食機能を示す可能が示唆された。しかし、塩化物イオン付着量1.0g/m^2の条件では、グロスカット部からポリアニリン膜/下地界面に塗膜下腐食が起こり、コーティング膜の剥離が生じた。乾湿が繰り時の電位変化を解析した結果、ポリアニリン酸化重合膜をコーティングした試験片は、乾湿繰り返し環境で、研磨ままの材料よりもやや貴な電位を示すことが分かった。塩化物イオン付着量が少なく孔食発生電位が低い際には、酸化体被覆により不働態化が促進される。しかし、塩化物イオン付着量が高く孔食発生電位が低下する環境では、酸化体の有する貴な電位が、皮膜欠陥部において、孔食を誘発する危険性があることが明らかになった。尚、厳しい腐食環境でのポリアニリンの塗膜下腐食を防止するため現在用いられているクロメート(SrCrO_4)について端面防錆機構をケルビンプローブで解析したところ鋼母地のアノードおよびカソード反応速度を抑制していることが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)