超柔軟性導電性接着剤における金属フィラー界面のナノ構造制御
Project/Area Number |
18656216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 雅博 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (60291449)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エレクトロニクス実装 / 金属工学 / 界面工学 |
Research Abstract |
シリコーン系導電性接着剤の導電性発現過程と電気抵抗率の硬化後の熱履歴による変化を調べて,従来のエポキシ系導電性接着剤の場合と比較した.低分子量のシロキサンを用いてペースト化したものと高分子量の液状シリコーンゴムを用いてペースト化した導電性接着剤(Agミクロフレークフィラー)を比較したところ,前者では溶剤の揮発からバインダーの硬化にいたる過程で導電性の発現するだけでなく,冷却過程でもさらに電気抵抗の低下が見られた.一方,液状シリコーンゴムを用いた場合には加熱硬化過程では導電性の発現は見られず,冷却過程において導電性が発現することがわかった.このシリコーンゴムを用いた導電性接着剤の場合,100℃以上の温度で1回だけポストアニールすると電気抵抗率が減少することがわかった.このアニールによって得られる抵抗率は,前年度,Agナノ粒子の微量添加によって実現できる抵抗率とほぼ一致していた.このことからAgナノ粒子はフィラー界面の結合状態を直接改善するものではなく,バインダーをナノコンポジット化することで自由体積量を制御する役割を果たしていることが示唆された.また,これらのシリコーン系導電性接着剤の応力緩和挙動は,従来のエポキシ系導電性接着剤の場合とはまったく異なることが明らかとなった.シリコーン系導電性接着剤では,熱サイクルなどの過酷な状況下だけでなく室温に長時間放置する場合においてさえ,アニール効果による内部応力の緩和に伴い電気抵抗率が増加することがあることが明らかとなった.超柔軟性導電性接着剤として,シリコーン系接着剤を用いる場合には,このような電気抵抗率の増加を防止する必要がある.本研究の検討結果から,フィラー粒子界面の制御と同時にバインダーの高分子材料設計が重要となることが明確になった.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)