Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2007: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
固着性である顕花植物の有性繁殖器官である「花」は,繁殖機能を果たすために,非生物的現象や特定動物種の行動を利用して配偶子の出会いを実現する。特に動物種を花粉媒介者として利用する場合,「花」は交配相手へのディスプレイとして働くのではなく,花粉媒介者へのディスプレイとして機能している。つまり「花」は動物種の行動をコントロールする信号装置として働いていると理解できる。●本研究の目的は,顕花植物の有性繁殖器官である「花」を,従来とは異なった視点,つまり,花粉媒介者(送粉昆虫)の行動をコントロールする「信号装置」として捉え,「花」の花粉媒介者誘引機能の実態を明らかにすることである。そのため,「花」に飛来する花粉媒介者である送粉昆虫の「花着地前」の飛行行動を2台のデジタルビデオから得た画像によって3次元的に徹底的に解析してきた。●その結果,平成21年3月31日までに,次の成果を得た。(1)ハイビジョン画像を同期して記録できる高性能ビデオカメラ2台によって,マメ科植物アレチヌスビトハギの花に飛来する昆虫の飛行行動を詳細に記録できた。その画像を解析の試行錯誤をとおして,(2)花に接近する昆虫の飛行軌跡を、2台のデジタルビデオカメラ映像からコンピュータ解析する手法を確立できた。(3)昆虫の飛行コース、空中姿勢、飛行速度変化の傾向を把握でき,昆虫の行動を花の形態変化の関わりから,花信号の解析が可能であることがわかった。同時に,(4)特にマメ科のアレチヌスビトハギの花を訪れるツルガハキリバチの訪花,着地寸前の飛行行動が幾つかの段階で構成されていることが明らかになった。また,(5)それらの行動段階は,花の形態的構造の変化によって,制御されていていた。●成果は,現在までに,投稿論文中として準備中であるほか,すでに,6回にわたって,学会発表をおこない,シンポジウムや講演会でも成果を公表した。
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