Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
陸上植物における葉器官の進化を考える上で重要な位置を占める小葉類の一種,コンテリクラマゴケの葉緑体ゲノムからの転写産物は,従来知られていたものより桁違いの頻度でRNAエディティングを受ける。今年度はそのRNAエディティング部位の全体像をより明らかにするために,これまでのmRNAにおけるタンパク質コード領域に加えて,(1)rpoAやrp123オペロンなどの遺伝子間領域(非翻訳領域),(2)psbN,accDのような偽遺伝子領域,(3)ndhBなどイントロンを含む遺伝子のmRNA前駆体領域におけるエディティング部位を確定した。さらに(4)petN遺伝子の完全長cDNAについてクローン解析によるエディティング効率の解析を行った。その結果,非翻訳領域や偽遺伝子領域におけるエディティング頻度(全C塩基中,エディティングを受けるC塩基の割合)は翻訳領域と比較して1/10以下ではあるが多くのエディティング部位が確認された。また,イントロン領域においてもRNAエディティングが認められ,スプライシングに先立ってRNAエディティングが起きることが示唆された。一方で,petN完全長cDNA(約1.8kb)を個別にクローニングしてエディティングの有無を調べたところ,すべての部位でエディティングが終了しているクローンが存在する一方で,petN翻訳領域の5'側一部の部位のみがエディティングを受けているクローンやまったくエディティングを受けていないクローンも複数検出された。さらに5'非翻訳領域にはエディティング部位は存在せず,3'非翻訳領域にのみ存在していた。以上の結果を基に,mRNAの翻訳過程と共役したRNAエディティングの分子機構モデルを構築した。また,エディティング部位の認識に関する情報学的解析として自己組織化マップ法を取り入れた手法を試み,共通配列についての一定の成果を得たが,今後は各部位のエディティング効率の違いを加味した解析を行って行く予定である。
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