フェムトプランクトンに属する微細藻類の検出,同定と解析
Project/Area Number |
18657031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塩井 祐三 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (70094092)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | フェムトプランクトン / 微細藻類 / 光合成色素 / HPLC / 駿河湾 / 多様性 / 海洋生態 |
Research Abstract |
プランクトンはその大きさにより大別されるが,0.2μm以下のプランクトンはフェムトプランクトンと呼ばれ,その大きさはウィルスに近い大きさであり検出の難しさから見過ごされてきた。我々は駿河湾の植物プランクトンの生産構造と個体群の動態を調べる目的で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて色素組成より分析を行ってきた。駿河湾の定点S-2から採水した海水を0.2μmフィルターでろ過し,さらにそのろ液を0.05μmフィルターでろ過したフィルターから光合成色素を抽出し解析した。一方,そのフィルターを培地に投入し培養したところ,4種類のコロニーが単離された。その内の2種類は,クロロフィルを持たないため細菌類であると判定した。残り2種のコロニーを純粋培養することに成功し,1種類は,プラシノキサンチンを含むことからプラシノ藻の1種であると判定された。さらに詳しく解析するために,18S rRNA分子マーカーを用いて同定を行ったところ,Pycnococcus provasoliiと同定された。0.2μmのフィルターを通して集積培養したにも関わらず,走査型電子顕徴鏡(SEM)を用いた測定の結果,大きさは1〜2μmであった。このことは細胞自体が可塑性を持っており,フィルター膜を通過したと考えられる。残りの1種類は,クロロフィル色素としてクロロフィルaのみを持ち,また,フィコシアノビリンを持つことからシアノバクテリアと同定された。現在18S rRNA分子マーカーを用いて同定を行っている。以上の結果から,フェムトプランクトン様の藻類2種が単離され,1種類は同定された。同定されたプラシノ藻はその大きさからおそらく真核生物最小の藻類であると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)