電子波動関数から探る蛋白質の立体構造構築原理と機能予測
Project/Area Number |
18657047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫻井 実 Tokyo Institute of Technology, バイオ研究基盤支援総合センター, 教授 (50162342)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 蛋白質 / 分子軌道 / 波動関数 / 立体構造 / 蛋白質機能 / フロンティア軌道 / 酵素 / 水和 |
Research Abstract |
金属酵素(特に亜鉛含有蛋白質)のX線結晶構造に対し、蛋白質内での残基数の空間分布を金属からの距離の関数として統計的に分析するとともに、分子軌道の局在性をアミノ酸残基ごとに分けて整理し、金属に近い残基は他の残基と比べてフロンティア軌道付近に局在しやすいことを示した。また、これらのベンチマークデータ結果に基づいて金属タンパク質の金属結合部位予測法を探索した。 構造と機能が既知の蛋白質をCATRESやCSAなどの活性部位データベースからEC classを偏りなく包括するように52個サンプリングした。平均残基間距離、量子化学計算による平均残基間相互作用エネルギー、溶媒露出面積、基準振動解析による揺らぎをすべてのタンパク質の各残基に対して計算し、蛋白質内で基準化した。各データの相関および活性残基との関連を調べた後、多変量解析の手法である主成分分析(PCA)と正準判別分析(CDA)を行い、活性残基の予測ができるかを検討した。その結果、活性残基の各データはいずれも他と比べて特異的な分布を示した。PCAによって得られた第1主成分と第2主成分をプロットした散布図から活性残基をおおよそ識別することができた。この新しい2つの変数はいずれも上述の残基の物理量をバランスよく重ね合わせたものであることが固有ベクトルの係数から分かった。一方、CDAの結果からは予想したほどの分離はできなかった。この場合第1判別関数はほとんど平均残基間相互作用エネルギーの寄与だけからなり、活性残基をその他残基から判別するよりむしろ、電荷の有無に過剰な重みがかかった判別がなされてしまったと考えられる。以上述べたとおり2つの判別関数にはまだ不十分な点があるが、それらの散布図からおおよその活性部位残基の判別ができたことは前進である。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)