植物ウイルスのサテライトRNAが宿主のジーンサイレンシングに及ぼす影響
Project/Area Number |
18658015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant pathology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 税 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 教授 (60281854)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | サテライトRNA / サイレンシング / 植物ウイルス |
Research Abstract |
キュウリモザイクウイルス(CMV)の弱毒株(CM95)と強毒株(CM95R)のサイレンシング(PTGS)抑制能力についてサテライトRNAが共存する場合としない場合で比較した。Chalcon synthase(CHS)遺伝子のPTGSによって花の色が白色になる形質転換ペチュニアC001に、CM95を接種するとわずかに着色が観察されたサテライトRNAが共存するとほとんど着色は認められなかった。また、CM95Rを接種した場合は、花の着色は顕著であり、白色の花は観察されなかった。サテライトRNAの共存はこの強く着色した花にも効果があり、着色を大幅に抑制した。すなわちサテライトRNAの共存はCHSのPTGSを促進することを示唆する。CM95とCM95Rでは着色誘導の程度が大きく異なる一方、ウイルスの花での蓄積量には大差なかった。このことはウイルス量が着色回復に直接関与していないことを意味する。サテライトRNAはウイルスの蓄積量を1割から2割程度低下させるため、本当にウイルスの蓄積量がPTGSに影響することがないのか明らかにするため、タバコプロトプラストを用いたアッセイ系を構築した。この系では、ルシフェラーゼ(Luc)遺伝子をレポータとして用いてプロトプラストに導入し、同時に導入するLuc dsRNAによってPTGSを誘導する。この時、CMVのPTGSサプレッサーである2b遺伝子を同時に導入してLucのPTGSを抑制する。このフロトプラストにサテライトRNAを導入し、LucのPTGSについて解析した結果、サテライトRNAのdsRNAが2bのLucのPTGS抑制に阻害的に作用し、LucのPTGSを回復させることが判明した。したがって、サテライトRNAはPTGSサプレッサーのインヒビターとしてふるまい、細胞のサイレンシング機構を活性化しているものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)