アワノメイガ類における雌雄問超音波コミュニケーションの検証
Project/Area Number |
18658021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 幸男 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60125987)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | アワノメイガ / 超音波交信 / Ostrinia / 発音器官 / 雌雄間交信 / 超音波 |
Research Abstract |
アワノメイガの雌雄間音響交信における(1)発音メカニズムと(2)発音の機能を解明した. (1)レーザードップラー変位計,ハイスピードカメラ,走査電顕観察などを駆使し,発音器官候補部位における共鳴装置としての妥当性の検討をおこなった.その結果,本種のオスが発する超音波は,中胸と前翅にあるオス特異的な鱗粉が擦れ合うことによって生じることが明らかになった.翅のオス特異的な鱗粉の下には膜状のクチクラが存在し,この膜が共鳴・音響の増幅に重要な役割を果たすものと考えられた. (2)聴覚器官を破壊したメス,発音器官を破壊したオスを用いた交尾実験の結果は,オスの求愛歌が交尾成功に必須ではないことを示した.しかし,把握器を破壊したオスを用いてさらに詳細な検討を加えた結果,オスの発音はメスの逃避行動を抑制すること,その結果として繁殖成功度が上昇していることが示された. (3)ガ類の捕食者であるコウモリの発する超音波と配偶者であるオスの発する超音波をメスに聞かせ,行動反応を比較したところ,アワノメイガのメスは両者を識別することができなかった.また,アワノメイガのメスはオスの音でもフェロモン腺の露出行動を中止した.オスの発音によるメスの逃避抑制は捕食者回避の結果であることが示唆された. (4)本研究の成果は,コウモリへの対応に由来する聴覚器官がガ類の種内音響交信に利用されるようになったとする進化モデルを実証するものである.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)