Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
アーキオシン生合成経路を、生化学的手法を用いて明らかにする試みの他に、分子遺伝学的手法も考慮に入れた実験を計画した。アーキアにおいて遺伝子破壊系が確立されているThermococcus kodakaraensisのTGT遺伝子と候補遺伝子のクローン化を試みた。T.kodakaraensisから染色体DNAを調製し、それを鋳型にPCRを行うことで両遺伝子断片を取得した。さらに、発現ベクターpET-11aに組込み、大腸菌内での大量発現を試みたところ、両タンパク質の可溶性画分への発現を確認できた。次に、大腸菌細胞抽出液を熱処理することで、両タンパク質の耐熱性を評価した。両タンパク質は熱処理後(85℃、15分間)の上清に存在していたことから、耐熱性を保持していると考えられた。熱処理後(75℃、15分間)の各上澄み液を用いて精製条件を決定した。TGTを、RESOURCE PHE、HiTrap DEAEFF、RESOURCE Qカラムに供することで精製した。候補タンパク質を、RESOURCE ETH、HiTrap DEAEFF、RESOURCE Qカラムに供することにより精製した。両タンパク質ともに、SDS-PAGEゲル上で単一バンド(CBB染色)になるまで精製することができた。今後、それぞれの酵素活性を確認していくとともに、TGTおよび候補遺伝子断片を用いて遺伝子破壊用プラスミドを構築し、遺伝子破壊株を作製する予定である。