Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
ゼニゴケ培養細胞では,高い乾燥耐性を誘導するためには,細胞をショ糖の含む培地で前培養する必要があり,十分に耐性が高まった細胞は,その含水量が0.05gH_2O/gDW以下になっても高い生存率を示す。この前培養時には,細胞内に複数の熱可溶性タンパク質を含むタンパク質の合成と糖の蓄積が起こる。さらに,乾燥による含水量の低下に伴い,ガラス転移温度以下では細胞内はガラス状態になる。本研究では,細胞の乾燥耐性,ガラス化と熱可溶性タンパク質および糖の関係についてさらに検討し,以下のような結果を得た。(1)前培養時にタンパク合成阻害剤の処理により熱可溶性タンパク質の合成が阻害され,同時に細胞の乾燥耐性が低下した。また,細胞のガラス転移温度が低温側にシフトした。したがって,この熱可溶性タンパク質は細胞の乾燥耐性とガラス形成に関わっていることが示唆された。(2)この熱可溶性タンパク質はいわゆるLEAタンパク質の可能性は高く,さらなる分析を行った。(3)一方,同様な前培養をシロイヌナズナ培養細胞で行ったが,細胞内での糖の蓄積が起こったが,熱可溶性タンパク質の合成は認められず,乾燥耐性の高い増加も見られなかった。しかし,乾燥による含水量の低下と共に生存率は失われるが,細胞はガラス状態になることが明らかになった。(4)これらの細胞における含水量とガラス転移温度の関係についてDSCを用いて詳細に解析すると共にFHRによる解析も試みた。(5)前培養したゼニゴケ培養細胞からプロトプラストを単離し,その乾燥耐性を調べ,培養細胞と同様に高い乾燥耐性を示すことを確かめた。(6)この単離プロトプラストを用いて,細胞内にタンパク質や糖を導入するためのリボソームとの融合条件について検討した。(7)また,FITCで標識したレクチンによるプロトプラスト表面の蛍光染色を行い,乾燥あるいは吸水時の細胞膜の変化を追跡した。
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