Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
本課題では,薬物送達に有用な皮膚に注目し,ここにおいて,薬物の細胞内外の輸送を担う膜タンパク質、トランスポーター群の機能を解析し,経皮投与の可能性の拡大,皮膚の薬物トランスポーターを利用した新規薬物送達システム開発に基盤的知見を提供すること目的としている。 昨年度は,皮膚におけるNSAIDsであるフルルビプロフェン透過機構に有機アニオントランスポーターが関与していることが示唆された。本年度は,代表的な排出型トランスポーターであり,皮膚においても発現が観察されているMDRIおよびMRP1に関してその検証実験を実施した。前年度同様,モデル動物としてマウスを採用し,MRPIおよびMDR1の寄与をそれぞれの遺伝子欠損マウスから採取した皮膚を用いUssing chamber法で解析した。Mrp1遺伝子欠損マウスにおいては,モデル化合物としてfluo 3を採用した際に,表皮側および真皮側の両方において排出方向の活陸低下が認められた。このことから,Mrp1は皮膚組織から薬物、異物を排除する機能を発揮していることが示唆された。一方,Mdr1遺伝子欠損マウスにおいては,ローダミン123をモデル化合物として採用した際に,表皮→真皮方向の輸送活性の低下が観察された。以上から,排出型トランスポーターが皮膚組織において機能していることが明らかとなった。近年,医薬品添加剤による薬物トランスポーターの機能阻害、促進が報告されていることから,このような知見と本課題の成果を併せることにより,皮膚を利用した新規薬物送達システムの開発に繋がるものと期待される。
|