新たな視点で原腸陥入におけるフラスコ細胞の役割を解明する試み
Project/Area Number |
18659055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小畑 秀一 Kitasato University, 一般教育部, 准教授 (10204273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生沼 勉 宮崎大学, 医学部, 助教 (20168842)
高野 和敬 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80364769)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 原腸陥入 / 両生類 / 細胞運動 / 細胞骨格 / 形態形成 / 形質流動 / 初期発生 |
Research Abstract |
原腸陥入は多細胞動物の形態形成において重要な現象であるにもかかわらず、そのしくみの多くは依然として解明されないままの状態にある。本研究では、この原腸陥入の時期に特徴的に出現するフラスコ細胞に着目し、その特徴的な形態の形成機構を調べ、原腸陥入におけるフラスコ細胞の役割の解明をめざした。平成18年度の研究結果をふまえ、単離フラスコ細胞の細胞伸長と原形質流動について、透過型電子顕微鏡観察および細胎内カルシウムイオン濃度変化の測定を行った。透過型電子顕微鏡観察の結果、細胞膜直下に存在するアクチン織維層の厚みが部位によって異なることが明らかになった。すなわち、細胞運動の進行方向先端付近ではアタチン繊維層が薄く、反対の部位では層が厚かった。また、細胞の超軸方向に沿って細胞表面近傍に徴小管が走行していることも明らかになった。これらの結果は、細胞の一端においてアクトミオシン系により発生した強い収縮力が原因となり、原形質流動が生じ、その結果として細胞が一方向に伸長することを示唆している。細胞骨格に関して単離フラスコ細胞に見られた存在様式は胚内でのフラスコ細胞においても確認されたことから、このしくみがフラスコ細胞の形態形成において重要な役割を果たしていると考えられる。次に、細胞膜近傍の細胞骨格が関与した原形質流動の発生機構を明らかにする目的で、細胞内カルシウムイオン濃度変化の測定を行った。その結果、細胞全体のカルシウムイオン濃度は全体として非常に低く抑えられているが、細長く伸びた細胞の両端ではその濃度が異なる傾向にあることが明らかになった。今後は細胞内カルシウムシグナリング機構の解析を行い、これと原形質流動との因果関係を明らかにする必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)