三酸化砒素のDNA損傷応答・アポトーシス誘導へ与える影響の分子機構解析
Project/Area Number |
18659087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 康博 Kobe University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70229772)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 亜砒酸 / 急性前骨髄球性白血病 / DNA損傷応答 / Wip1ホスファターゼ / Chk2キナーゼ / p38MAPK / アポトーシス / 酸化的ストレス / 三酸化砒素 / 細胞周期チェックポイント制御 / タンパク質脱リン酸化 |
Research Abstract |
これまでの本研究により、亜砒酸(ATO)がChk2キナーゼに加え、p38MAPキナーゼを活性化するとともに、これらのキナーゼを脱リン酸化・不活化するWip1ホスファターゼを阻害することを明らかにしていた。本年度の研究により、まずATOによるChk2、p38MAPキナーゼの活性化が、酸化ストレスによることが明らかとなった。実際、in vitroキナーゼ解析においては、ATOはこれらのキナーゼの活性には影響を与えないが、ATOによる急性前骨髄球性白血病細胞(APL)におけるこれらのキナーゼの活性化は、抗酸化剤により阻害されることが示された。また、リン酸化部位特異的抗p53抗体を用いた解析等から、ATOによりChk2/p53経路及びp38MAPK/p53経路が活性化されることにより、APL細胞のアポトーシスが誘導されることが明らかになった。次に、ATOによるin vitroでのWip1ホスファターゼの活性阻害機構について生化学的解析を行ったところ、ATOによるWip1の活性阻害は非競合的阻害機構によるものであることが示された。さらに、前記のATOによるChk2/p53、p38MAPK経路の活性化を介したAPL細胞のアポトーシスが、Wip1の発現抑制を行うことによりさらに増強されることから、ATOが実際にAPL細胞においてWip1を阻害していることが明らかとなった。以上より、Wip1ホスファターゼが、臨床上ATRA(all trans-retinoic acid)耐性のAPL治療に用いられるATOの直接の標的分子であることが示唆される。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)