Project/Area Number |
18659095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
久米 真 秋田大学, 医学部, 助手 (00372326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 利晃 秋田大学, 医学部, 医員 (60400496)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 胆管癌 / 診断 / テラヘルツ波 / 分光測定法 / ムチン糖タンパク質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、消化器組織および分泌物中に含有するムチン糖タンパク質をテラヘルツ分光測定法によって検出し、ムチンサブタイプの差異を鋭敏に検出することによって癌の悪性度、進行度を診断する新技術を開発することである。 最初の目標は、テラヘルツ分光測定に適する生体材料の採取・処理・保存法を確立することであった。当初、生体材料は可能な限り化学処理せずに分光測定したいと考えていた。そうすることでテラヘルツ波の特性を最大限に引き出して糖鎖の三次元構造を鋭敏にとらえられると予測したからである。しかし、生体材料には分光測定データを修飾する夾雑物が大量に混在しているため、測定用サンプルは液体クロマトグラフィーで抽出し冷凍保存後至適濃度の水溶液にして速やかに分析する必要があった。ムチンの粘度が高いため気泡や水滴の混入を避けて至適混合比の均等な水溶液を作製する技術、測定用セルに微量注入する技術が重要であった。測定用シリコンブロックは透過率データに悪影響を与えないよう、均一な深さの微細加工品を作製した。一般に生体材料は溶媒によるテラヘルツ波の吸収・散乱によって測定が障害されることが多い。さらにムチン分子の粒子径、糖鎖の三次元構造、側鎖の状態などの影響が懸念された。厚さ15ミクロンのサンプルを用いて透過分光測定するとムチン濃度と透過率との間に正の相関傾向が認められた。これはムチンが水に近い透過率を示すため水に妨害されずテラヘルツ波で分光測定できる可能性を示唆している。周波数に対して透過率は右下がり、吸収率は線形に増加する単調な右上がりを特徴とすることが確認された。さらに良好な測定を行うには今回作製した水溶液濃度125μg/gよりも高濃度でサンプル厚を大きくする必要があると考えられた。 現在、胆汁からのムチン抽出法を検討するとともに、高濃度ムチンサンプルを用いたサブタイプ検出に取りかかっている。
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