Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
我々はOuter membrane vesicle(OMV)を6型分泌装置として位置づけ,細菌蛋白の宿主標的細胞へのデリバリーシステムとしての機能について研究を行ってきた。一方,我々は,腸管出血性大腸菌O157:H7の病原性発現に関する研究を展開してきているが,その中でClpXPが本菌の腸管付着に関連するIII型蛋白分泌システムの発現調節に関わることを見出した。 昨年度の研究で,O157:H7のOMVの産生条件を検討し,AAA+ protease memberであるClpXPの欠損株が大量のOMVを産生することを明らかにした。そこで本年度は,OMVを利用したO157OMVコンポーネントワクチンの構築を目的として,OMVによるO157:H7の毒素のデリバリーの可能性について検討し以下の事柄を明らかにした。 1.大腸菌O157:H7の毒素Stx1/2の特異抗体を用いて,Western blottingを行い,両毒素の分泌量を検討した結果,それらの分泌量はClpXP欠損によって,顕著に増加することが明らかとなった。 2.OMVを大量に産生するClpXP変異株よりOMVを精製し,電子顕微鏡解析,生化学的解析を行った。その結果,精製したOMVfractionにはO157:H7の毒素Stx1/2が含まれることが明かとなった。さらにVero細胞に精製したOMVを接種したところ,細胞毒性が観察された。 これらの結果は両毒素がOMVによって宿主細胞へ輸送される可能性を強く示唆している。無毒型のSTx1,Stx2を用いて,OMVのコンポーネントワクチン構築をさらに進める意義を見出すことができた。
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