加熱食品由来の化学反応中間体を用いた生体機能分子修飾:新規創薬法の開発
Project/Area Number |
18659200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General internal medicine (including Psychosomatic medicine)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
阿邉山 和浩 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 特任准教授 (30284897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
安部 淳一 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80128404)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アスコパイロン-P / 1,5-AF / メイラード反応 / アポプトーシス / 抗炎症作用 / 1,5-AG / 細胞周期 |
Research Abstract |
今年度の研究において、新規機能性低分子アスコパイロン-P(APP)の化学的性状と薬理学的作用などについての検討を行い、創薬シーズとしての可能性について調べた。(1)蛋白、低分子アミノ酸、核酸などのアミノ基を標的とした化学修飾物質として作用することが判明した。特に、蛋白・アミノ酸に対しては、メイラード反応の1つとして知られているアミノ基のカルボキシメチル化反応を非常に短時間で誘導することが確認された。(2)しかしながら、高分子蛋白質中(血清や細胞内構造蛋白)のリジン残基(εアミノ基)に対するこのAPPの反応性は、低分子のアミノグアニジン存在下での競合阻害をほとんど受けず、通常の非特異的な糖化反応(グリオキサールのような反応性の高い中間反応物質を介したメイラード反応)の過程とは、質的に異なるもの(APPと蛋白との間の何らかの特異的な親和性・結合性の可能性)と考えられた。(3)培養細胞にAPPを直接添加・インキュベート後の種々の細胞現象の変化(細胞増殖抑制・アポプトーシスや抗炎症性の影響など)のメカニズムについて、細胞内構造蛋白中のアミノ基のカルボキシメチル化修飾とそれに伴う蛋白の立体構造変化などにより誘導される細胞内シャペロン分子(HSP90)の増加が関与しているものと推察された(プロテオーム解析)。(4)APP刺激により誘導される遺伝子発現の網羅的解析において、蛋白解析結果と矛盾することなく、細胞のストレス応答(炎症反応、細胞の生存・アポプトーシス・増殖に関わる経路)に関連する遺伝子群の変動がみられた。(5)APPとアミノ酸や核酸などとの化学反応生成物(adduct)について、一部のアミノ酸とAPPとのadductにおいて、有意な細胞増殖抑制効果が確認された。以上より、APPは、生理活性物質を化学修飾し、新規活性物質を生成させるユニークな創薬シーズであることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)